つぶつぶ秘話

らくやでは3回目の企画展となる「つぶつぶの帯」。

つぶつぶと聞いて「あの帯ね!」とピンとくる方もいらっしゃれば、

「初めて聞いたわ」と首をかしげる方も多いと思います。

 

この「つぶつぶの帯」というのはいわば愛称で、

正確には京都・千藤が提案する西陣で制作されている織りの帯。

 

一昨年から年に一度のペースでご紹介してきたわけですが、

他にはない独特の素材・織り・デザインが浸透し、

毎回この展示を心待ちにしているお客様が年々増えている特別な帯なんです。

 

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京都・西陣の老舗織元で制作されているこの帯のデザインは極めてシンプル。

ドット(点)・ライン(線)・スクエア(四角)を基本に、

全てこの3つの組み合わせで構成されています。

この、ドット・ライン・スクエアの部分が、私たちが親しみを持って呼んでいる「つぶつぶ」の正体であり、つぶつぶは一見刺繍のように見えますが、実は織りで表現されているという、とても高度な技術によって生み出されています。

職人さんの技とデザインのセンスが、きもの好きを惹きつけるんですね。

 

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もちろん全て手織り。一つ一つ色柄が違います。

素材はしなやかで柔らかい真綿を使用。

締め始めから身体に馴染む、気持ちの良い帯です。

 

そして、袷用の帯に加え、今回の展示で初めて「夏の帯」をご紹介しています。

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こちらは、麻のような風合いを持った絹「生皮苧(きびそ)」を用いた夏帯です。

「生皮苧(きびそ)」とは、蚕が繭を作る時に最初にはきだす糸で、繭の外側(繭を守っている)部分にあります。この部分には、タンパク質のセリシンが豊富に含まれており、高い保湿力や、紫外線吸収力、抗酸化作用があるとされ、通常スキンケア用品に使われることが多いようですが、こちらはあえてそのまま帯に使用しています。

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この生皮苧を糸として成り立たせるのが難しいのだそう。糸づくりの多くは、セリシンを除去する精錬という作業をするのですが、こちらは原糸の風合いを残すため精錬をせずに糸作りを行っているそうです。

実際の帯を見ていただけるとわかるのですが、この独特の光沢感やシャリ感が夏の帯にぴったりです。

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また、夏と言っても真夏だけに限らないものも多い今回の夏帯展。

店頭では「暑い季節に締められる帯」とご紹介していますが、

真夏以外にも単衣や春先や初秋など、曖昧な季節に活躍してくれそうな帯が充実しています。

つぶつぶだけではなく、染めの色、地風にこだわった夏帯も多く、

手織りの素晴らしさをご覧いただける展示となっています。

 

デザイン、素材共にプリミティブな要素をとても大切に制作されているだけに、

帯の存在感、力強さが際立つのだと思います。

シンプルであればあるほど、こういった素材の良さや職人の技量が問われるんだな、とスタッフも再確認させられました。

こういった帯や着物を見つけるたびに、らくやは「多くの方に伝えなきゃ!」と俄然張り切る訳です。笑。

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着物は、着物や帯単体では成り立ちません。

らくやでは、価値ある一点ものをどう組み合わせたら着る方の個性を生かして素敵に着こなせるか、店頭でお客様と一緒に考え、ご提案しています。

 

「夏のつぶつぶ帯」展は、7月18日(火)まで。

ぜひ店頭でお手にとってご覧ください。

 

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